ピーク・エンドの法則

ピーク・エンドの法則はピークとエンドが重要ということ

ピーク・エンドの法則は、心理学者で行動経済学者のダニエル・カーネマンによって提唱されました。
その内容をご紹介します。

ピークエンド・の法則のピークは、最も感動したときのことを言います。
そして、エンドはある出来事が終わったということです。
それらが、ある経験においてのすべてであると、提唱されています。

たとえば、中学生時代を振りかえって、考えてみましょう。
中学時代というと、部活の練習やクラスで頑張った合唱祭や受験、卒業式などを思い出す人は多いです。
その場合、在学中に感動したイベントなどがピークで、受験や卒業はエンドになります。
それで、全体的に楽しい中学生時代となるのです。

とはいえ、苦しかったり、悲しかったりしたこともあるでしょうが、そのようなピークでもエンドでもない思い出は、中学時代すべての思い出とはならないのです。
こういったことは、中学時代に限らず、他のいろいろな場面でもいえることでしょう。
皆さまの様々な思い出で、考えてみてください。

営業で法則を活用する

営業で、この法則を活用しましょう。
その方法をご紹介します。

まずは、その商品が特別なものである、ということを強調します。
たとえば、お店で買い物の際、今回だけ特別に、これもおまけとか、この色がお客様にピッタリとかいう言葉を聞くと、人は興味を持つものです。
このあたりに、お客の興味という点でのピークを引き寄せましょう。

そして、いったんは断ることも大事です。
たとえば、お客が「1000円引きなら買う。」といったとします。
ここで、承諾してしまうと、お客の方は「こんなにすぐに承諾されるのは、元々が1000円引きの値段だったのでは。」という気持ちになるのです。

そうならないように、いったんは「申し訳ないのですが、それはできません。」と断ります。
そして、何分かお客と交渉して1000円引きを承諾しましょう。
そのような交渉を経て、勝ち取った商品ということで、お客は満足感を得ますし、何とか承諾してもらってありがたいという気持ちで、店員を見るようになります。
これで、交渉成立のエンドとなるのです。

顧客獲得でも活用できる

次は、レストランでの顧客獲得例です。
顧客にとって、レストランでのピークは料理のおいしさや内装のインテリア、店員の感じの良いもてなしでしょう。
そして、エンドは食事を終えて帰るときの店員の態度です。
気持ちよく「ありがとうございました。」と言って、見送ってもらえると、うれしいもので「また行きたい。」という気持ちになります。

こうしたレストランでの日常のおもてなしが、顧客獲得につながるのです。
ささやかながらも、大事なことになります。