内部監査に関する国際的な資格「CIA(公認内部監査人)」

CIAとは

CIAとは公認内部監査人のことですが、そもそも内部監査とは一体何なのでしょうか。
内部監査は組織が効率よく目標を達成するために独自の客観的な立場から経営諸活動の評価や検討をし、助言や勧告を行う役割のことです。
これによって経営諸活動を支援するという重要な役目を担っているのが内部監査人です。

内部監査というと不正や不祥事を摘発するとイメージしている人が多いかもしれません。
しかし、実際の内部監査とはコンサルタント的な役割の方が大きいのです。
定期的に企業を監査して改善を促すことによって、企業の持続的な発展を助けます。
そして、この内部監査を行える能力があることを認定してくれるのがCIAであり、こちらは国際的な資格となっています。

1974年により開催された試験であり、日本語で受験可能になったのは1999年のことです。
どんどん資格保有者は増えており、今後はますますそのニーズが高まっていくでしょう。
CIAを合格すれば、内部監査の体系的知識や広範なビジネス知識が持っていることを証明できます。
責任をもって内部監査を果たすことができる知識や技能を持っていることを証明してくれるのです。

したがって、CIAの資格を持っていれば、内部監査の仕事をする際に有利となるでしょう。
自分には内部監査をするだけの能力があることを存分にアピールできるのです。

CIAの試験について

CIAは試験に合格するだけではなく、実務経験を2年経ないと登録することができません。
知識だけではなく実践的なスキルがなければ、CIAになることはできないのです。
実際の試験は3つのパートに分かれており、内部監査に関する知識だけではなく広くビジネスに関わる知識も出題されます。
受験資格は4年生の大学を卒業しているか、2年以上の実務経験のある人です。

出題の中には内部監査に関連する知識として管理会計や財務会計といった問題も出題されます。
そのため、すでに税理士や会計士になっている人にとっては有利となるでしょう。
合格率は未公表となっているのですが、だいだい40%程度とされています。
また、学習期間は6ヵ月以上かかってしまうことが多いでしょう。

試験日は通年であり、自分で受験日と受験科目を選択することができます。
忙しい人であっても、自分の都合の良い日を選択することができるのです。
CIAは論述試験ではなく選択試験となっているため、試験対策はやりやすいでしょう。

CIAの認定を行っている国際機関では、CCSAやCFSAといった試験も実施しています。
内部統制関連の資格となっており、これらもニーズが高いため、CIAと同時に目指してみるのも良いでしょう。
欧米においては内部監査部門が経営幹部になるための登竜門とされています。
日本でもそのような企業が出始めており、CIAを取得することは将来のキャリアにとっても価値があります。