経営者目線で考える「VRIO(ヴリオ)」

VRIOとは

VRIOという分析手法はこれから経営に携わりたいと考えている人が覚えておくべきものです。
自社にある経営資源について、それぞれの強みを評価できるようになり、他社との競争優位性を保つための方法について考えられるようになります。
VRIOはそれぞれ経済価値と希少性、模倣可能性、組織体制という4つの英単語の頭文字をとったものです。

それぞれの会社の経営資源について、4つの価値から評価することによって、さまざまなものが見えてくるのです。
これによって競争優位となる源泉を探り出すことができるでしょう。
その企業の持っている特殊性や異質性を見出すことができるのです。

たとえば、ライバル企業について分析するケースもあるでしょう。
いかに自社独自の経営資源を保有するかが、ビジネスの成功のカギを握っています。

VRIOの活用法

たとえば、りんごの販売をしている会社があったとして、こちらはロボットによって安定的にりんごを大量生産できるシステムを持っているとします。
この経営資源に対して、VRIOでは4つの観点からそれぞれ評価を下していくのです。
たとえば、価値という点からは、こちらのシステムは農業の工業化の流れに対応しており評価できるでしょう。
希少性という意味では、ロボットを作成するためにかなりのコストがかかることが予想されるため、他社にはない希少性の高いものといえます。

模倣可能性についてもロボットを大量生産するためのコストがかかるために、模倣することはハードルが高いでしょう。
最後に組織体制ですが、たとえば、ロボットを生産できる工場が1拠点のみの場合は組織体制としては評価できないでしょう。
基本的にこの4つの観点についてはすべての点において評価できることが望ましいのです。
1つでも評価できない部分が存在していると、その経営資源は問題点を抱えていると判断できます。

模倣可能性についてですが、こちらはさまざまな要因によって説明することができます。
たとえば、その資源が歴史的な要因で成り立っている場合は、真似されにくいでしょう。
外部から見たときにブラックボックス化している資源であれば、模倣されることは少ないです。
特許によって制約を設けているケースもあり、このような経営資源は模倣可能性の点において安心できるでしょう。

この4つのすべての点において評価できる経営資源は、持続的な競争優位なものであると評価されます。
このような経営資源をたくさん持っている企業は、ビジネスにおいてとても優位性があると考えられるのです。
たとえば、模倣可能性のある経営資源を持っていたとしても、それは一時的な競争優位であり、いつか他社に真似されてしまうかもしれません。
そのような弱点を持っている経営資源は改善しなければいけないでしょう。