KJ法

KJ法の活用

ビジネスに関する理論として最後に紹介するのは「KJ法」というものです。
このKJというのは発案者である川喜田二郎という人のイニシャルから取られているものであるため、名前自体からは内容を連想することが出来ません。
この内容は、簡単に言うと「情報をパーツとして、ボトムアップを行っていく」という経営改善方針です。

ボトムアップを行なうための方法を提案しており、大まかには以下のような流れとなります。
まず、テーマとなりうることを1枚に1つずつ書き出していきます。
これを関係のありそうな物同士でグループを組ませるように並べていきます。
そして、それぞれのカテゴリー毎に名前をつけ、それぞれのグループがどう関係しているのかを考えます。

つまり、経営全体の問題を一つ一つ上げていき、その関連性を明らかにする、というのがこのKJ法の基本的な骨子となります。
物理的な手間が掛かる方法である、ということで一定の批判がある方法でもありますが、ツールなどを使って行って手間を省いてももちろん問題はありません。

有用性はどこにあるか

では、わざわざ書き出してそれを動かす、という物理的な動作を伴う思考法に、どのようなアドバンテージがあるのでしょうか?
物事を大枠で考えて構成していく、というのは、簡単なようで難しいことです。
一つ一つの関係性にまで思慮を巡らすとなると、かなりの思考を必要とし、ミスが多くなってしまいます。

そのため、敢えて手間を掛けて書き出すことによって、本来すべてアタマのなかで行なわなければならないことを紙面で行えるようにするわけです。
こうすることで、脳の処理を減らし、より良い考え方が出来るようにする、というのがKJ法の目的とする部分です。