ソフトバンクを支えた「A4一枚仕事術」

A4、仕事術、これ聞いたことがありますか?

会議に利用する書類を、時間をかけて作り上げ、ようやく複数枚に及ぶ書類を用意して、会議でしっかり説明していこうと思ったら、それを読んだ上司が「なんだか内容がわかりにくいんだけど、どういう事がいいたいのかな?」と問いかけてきた、これってかなりショックなことです。

でも本当に複数枚必要だったのでしょうか。
何かについて話し合いが必要、それが主軸となる会議でだらだら説明の書かれた複数枚に及ぶ資料は正直言って役に立たないことが多く、資料を作った人の労力が無駄になるだけです。

会議の書類意外でも、ビジネスの中では企画書や報告書などの多数の書類を読み、それを理解し、必要な情報を得て仕事を行っています。
そのなかで情報量が多くなっているという事もあり、それらの情報を書類として簡潔に、わかりやすく作るという事が難しくなっているという現実もあります。
しかし、A4一枚に情報を整理するという技術を得ると、読み手に伝わりやすい簡潔な書類を作る事が出来ます。

人が書類を読んで把握できる内容には限界がある

ソフトバンクで有能な働きをし、その後、自分の会社を経営する三木氏、有名な方ですが、元々ソフトバンクは大きな企業であったという事ではなく、小さいベンチャー企業だったところを大きく成長させていきました。

彼が常に心がけていたこと、それは、A4一枚に要点をしっかりまとめ、相手に伝えたい情報をインパクト強く提供するという独自の書類技術でした。
A4一枚に書類をまとめるという頃ができるようになると、その考え方がプライベートにも生きていくといいます。

人が理解できる、把握できる容量というのは限りがあり、一般的には7±2といわれています。
どういうこと?と思う方も少なくないと思いますが、例えばテーブルの上にお菓子があった時、どんなにそのお菓子の全部を覚えておこうと思っても、7種類しか覚えておくことが出来ないという意味です。
つまり、書類なども同じでそれほどうまく情報を整理していても、許容量を超えるものだった場合、そのほとんどが頭に入らないという事です。

A4一枚に情報を簡潔に盛り込む、というのは非常に難しい事なのですが、これができるようになると、必要最低限の情報を記憶すればいいですし、目線を動かす範囲に情報が凝縮されている、注視安定視野、この中に情報が詰まっているのですから、これは非常に合理的な書類という事になるのです。

A4一枚の書類を作る作業

A4このたった1枚の紙に何を盛り込んでいくか、これが問題です。
まずは何を一番伝えたいのか主題を考え、これを明確に伝える言葉は何か、しっかり考えて盛り込みます。

次にその主題に沿って文章を展開していくわけですが、ここで大切になるのが文章の基本、5W1Hであり、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにして行っていけばいいのか、ここを基本に明瞭で簡潔な文章を作ります。
この部分を長く書いてしまう事が多いので、結局何を伝えたいのか話がぼけてしまうのです。
主題を考慮し明確に簡潔にするという事を考えて文章を展開していきます。

最終的に主題を繰り返すことでこの主題がさらに明確になり、まとまりのある文章となるほか、読み手に一番伝えたいことがしっかりと伝わる文章になります。
最初はA4たった1枚にどのように文章をまとめていけばいいのか迷いますが、何度も繰り返し行っていくと、次第に要点を明確に主題を明瞭にした文章が書けるようになります。