ノー残業デーについて

ノー残業デーは必要か

最近、一部の会社で設定されているのが「ノー残業デー」という仕組みです。
例えば水曜日をノー残業デーと設定している場合、水曜日は残業をすることが出来ない、とされるのが一般的です。
中には「出来ない」ではなく「しない方がよい」と定めている場合もあります。
一見すると良いシステムに見えるノー残業デーですが、その中にはいくつかの問題点が存在しており、一部からは「ない方がマシ」という声も聞かれます、何故そうなってしまうのでしょうか?

ノー残業デーの問題は、業務の量などを全く調節せずに、強制的にその日だけを残業禁止としている事が多々あるためです。
「仕事がなく残業をしなくて良い日」ではなく「仕事はあるが残業をしてはならない日」になっているということです。
最終的な締め切りなどが変わらないのであれば、残業しなければ終わらない部分の仕事はなんとか別の方法で処理しなければなりません。
例えば仕事を持ち帰ったり、あるいは前後の日に余計に残業をしたり、ということが考えられるでしょう。

これでは何の意味もありません。
ノー残業デーの目的は従業員のリフレッシュにあります。
早目に帰ってもらい、自分の時間を使えるようにする、という配慮から来ているものが、このような結果に帰結しているのでは、作業効率を却って悪化させるだけです。

必要かどうか

では、改めて「ノー残業デーは必要か」ということについて考えてみましょう。
上記だと悪い点ばかり挙げましたが、これは「ノー残業デー」自体の問題ではありません。
その周囲にノー残業をフォロー出来るような仕組みがない事自体の方が問題です。
実際に業務内容が少なくなり、一日残業をせずにすむ、というのであればノー残業デーにも本質的な意味が生じます。

しかし、「実態は変わらない」まま残業だけを禁止するノー残業デーを設定するのであれば、何の意味もありません。
こういった経営改善は、常に従業員の視点に立つことが重要です。
「ノー残業デーを設定しているから、自分は社員のことを考えている良い経営者だ」といったような勘違い経営者にはならないようにしましょう。